登録くんと一緒に、国立がん研究センター『がん情報サービス』の公開データを図解でやさしく学ぶ「やさしいがん統計ガイド(Easy Cancer Analytics Guide)」のホーム画像です。 Learn with Touroku-kun about public data from the National Cancer Center’s Cancer Information Service, explained gently with illustrations in the Easy Cancer Analytics Guide homepage image.
yokoの部屋

がん登録 中級とは?|認定試験・更新試験の内容と対策まとめ

がん登録 中級とは何かを解説するまとめページのアイキャッチ画像。がん診療連携拠点病院等の整備に関する指針に基づき、中級認定試験・更新試験と求められる実務レベルを示している。

がん登録の「中級認定者」は院内がん登録実務者としての最上位資格

登録くん
登録くん
え?がん登録の中級の上に上級って、ないんですか?
なんだか、中級のハードルが一気に高くなりますね……
YOKO先生
YOKO先生
そうなんですよ、登録くん。
がん登録の資格は「初級」と「中級」だけなんです。

「中級」という名称から、「上級」もあるのでは?と思われがちですが、がん登録の資格には 「初級」と「中級」しかありません。

出典:がん情報サービス「がん登録実務者研修」
https://ganjoho.jp/med_pro/training/cancer_registration/index.html

中級認定では、研修受講や認定試験を通して、院内がん登録の実務を担えるレベルに達しているかが確認されます。日々の実務の積み重ねに加え、各部位の解剖・病期分類を理解したうえで登録できる力が求められます。

登録くん
登録くん
ぼくもいつか取りたいので、中級認定のこと教えてください。
YOKO先生
YOKO先生
いいですよ。
受験できる条件も多く、試験も決して簡単ではありませんが、ひとつずつ一緒に見ていきましょう。

中級認定者の人数は多い?少ない?

「がん登録 病院等実務者 中級(院内がん登録)認定者」は、2025年4月1日時点で、全国に 1,720名 います。

都道府県 中級認定者数(名)
北海道77
青森県18
岩手県20
宮城県27
秋田県27
山形県15
福島県24
茨城県32
栃木県29
群馬県27
埼玉県56
千葉県74
東京都192
神奈川県94
新潟県28
富山県24
石川県19
福井県11
山梨県8
長野県28
岐阜県26
静岡県50
愛知県92
三重県21
滋賀県26
京都府41
大阪府124
兵庫県65
奈良県19
和歌山県22
鳥取県11
島根県10
岡山県35
広島県43
山口県27
徳島県22
香川県18
愛媛県18
高知県12
福岡県78
佐賀県8
長崎県21
熊本県23
大分県12
宮崎県9
鹿児島県27
沖縄県30
合計 1,720

※中級認定者の人数は、がん情報サービスに掲載されている「中級認定者一覧(2025年4月1日現在)」をもとにまとめています。

中級認定者が1720名いるのに対し、がん登録を実施している医療機関は次のとおりです。

  • がん診療連携拠点病院等:461施設
  • 小児がん拠点病院:6施設
  • 拠点外病院:415施設

合わせて 882施設 が院内がん登録を実施しています。
院内がん登録2023年集計の報告書が報告された2024年6月時点

単純計算すると、1施設あたり約2名 の中級認定者が配置されている計算になります。

登録くん
登録くん
1施設あたり約2名って聞くと、多そうに見えますけど、
大きい病院だと、やっぱり足りませんよね?
YOKO先生
YOKO先生
いいところに気づきましたね。
中級認定者は全国的に配置されていますが、拠点病院の規模を考えると、決して十分とは言えない状況が見えてきます。

実際には、

  • 5名以上配置されている施設
  • 1名のみで業務を担っている施設

と、施設ごとに大きなばらつきがあります。

1名体制の施設があることを考えると、中級認定者は 決して多いとは言えません。

理由としては、

  • ダブルチェックができず、判断や確認をすべて1人で行わなければならないこと
  • 登録ルールの変更や国立がん研究センターからの重要な通知について、常に最新情報を把握しておく必要があり、1名体制では負担が大きいこと

といった点が挙げられます。
複数名体制であることが望ましい業務であることは、現場ではよく実感されていると思います。

なぜ中級認定者が必要とされているのか
― がん診療連携拠点病院等の整備に関する指針との関係 ―

院内がん登録の実施に係る指針では、院内がん登録の実務を担う者に対して、一定の知識と技術を継続的に身につけること、国立がん研究センター等が提供する研修を受講することが明確に求められています。

しかし、「中級認定者」という名称が直接用いられているわけではありません。

登録くん
登録くん
じゃあ、どうして「中級認定者」が必要って言われるんですか?
YOKO先生
YOKO先生
それは、「がん診療連携拠点病院等の整備に関する指針」に理由が書いてあります。

がん診療連携拠点病院等の整備に関する指針では、国立がん研究センターが実施する研修で「中級認定者の認定を受けている者」を、院内がん登録の実務を担う者として1人以上配置することが求められています。

つまり、中級認定者が求められているのは、単に「資格を持っているから」ではなく、院内がん登録の質を担保できる実務者であることが、制度上求められているからです。

登録くん
登録くん
「質を担保する」って、なんだか難しい言葉ですね。
YOKO先生
YOKO先生
だからこそ、「いつ・誰が登録しても、同じレベルで正しく登録できる状態」を保つために、4年に一度、更新試験が実施されているんですよ。

中級認定の有効期間は4年間で、認定を継続するためには、認定期間内に更新試験を受験する必要があります。

なお、認定期間(4年)を過ぎると認定は取り消されるため、認定の継続を希望される方は、必ず期間内に更新試験を受けるようにしましょう。

中級認定を受けるための条件と流れ(応募資格)

中級認定は、実務経験を前提とした資格 です。応募時点で、以下の条件を満たす必要があります。

  • すでに初級認定者であること
  • 院内がん登録の実務経験があること(以下のいずれか)
    • 2年以上の実務経験がある
    • 1,000件以上の登録実績がある
  • 院内がん登録を実施している医療機関に勤務していること
  • 施設長からの推薦状があること
登録くん
登録くん
えっ……?
施設長の推薦状まで必要なんですか?
もはや「個人で取る資格」ではない感じですね……。
YOKO先生
YOKO先生
中級認定者は、院内がん登録を担う実務者として、施設が責任をもって配置する存在だからです。
そのため、中級認定試験に合格したときも、更新試験に合格したときも、認定証書は本人ではなく「所属施設長宛」に郵送されるんですよ。

また、中級研修を受けるためには「中級(院内がん登録)研修受講試験」に合格する必要があります。

中級(院内がん登録)研修受講試験

登録くん
登録くん
え?
試験に受からないと、受講できないんですか?
YOKO先生
YOKO先生
はい。
中級研修を受講するには、初級相当の知識を確認する受講試験に合格する必要があります。

中級研修を受講するためには、中級(院内がん登録)研修受講試験に合格する必要があります。

この受講試験では、40問が出題され、一定の基準を越えていないと中級研修を受講することができません。

2025年度の受講試験についての詳細は、以下の公式資料をご確認ください。

👉 2025年度 中級(院内がん登録)研修受講試験 注意事項(PDF)https://ganjoho.jp/med_pro/training/cancer_registration/intermediate/pdf/2025_attention.pdf

YOKO先生
YOKO先生
PDFは変更される場合があります。ご了承ください。

中級研修・受講試験の最新情報はどこで確認する?

中級(院内がん登録)研修や受講試験の内容・日程・募集条件は、年度ごとに変更されます。そのため、受講を検討する際は、がん情報サービスの「がん登録実務者研修」ページで、必ず最新情報を確認してください。

登録くん
登録くん
毎年変わるんですか?
過去の情報を見て準備していたら、条件が違う…なんてこともありそうですね。
YOKO先生
YOKO先生
そうなんです。
中級研修や受講試験は、募集時期や区分、条件が年度ごとに見直されます。
特に春から夏にかけては、随時更新されるので公式ページでの確認をしてください。
出典元: がん登録実務者研修(がん情報サービス)https://ganjoho.jp/med_pro/training/cancer_registration/index.html

このページでは、

  • 初級・中級それぞれの研修・認定試験
  • 受講試験の有無
  • 募集要項・注意事項(PDF)
  • 更新試験や認定期間について

といった情報が、年度ごと更新されていきます。

受講試験や研修の詳細を確認する際は、必ずこの公式ページを起点に確認するようにしてください。

初級認定は、公式サイトのeラーニングで学習し受験できる

登録くん
登録くん
中級をとるには、初級でなければいけないんですね?
YOKO先生
YOKO先生
そうなんです。初級認定は、無資格・実務未経験でも受験できる資格なんですよ。

初級認定は、院内がん登録支援サイトに掲載されている初級者向けのeラーニング(テキスト・動画)を活用して学習することで、実務経験がなくても受験・合格を目指すことができます。

病院や診療所に勤務していなくても受験が可能なため、診療情報管理士コースのある専門学校に在籍する学生が、在学中に受験するケースも多く見られます。

私が以前、専門学校でがん登録の講義を担当していた際にも、受験した専門学生のうち、半数以上が初級認定試験に合格していました。
※これは、あくまで当時の担当クラスにおける経験に基づくものです。

中級に求められるレベル

院内がん登録を 2年以上、または 1,000件以上 経験している時点で、すでに 初級レベル(主要5部位)を超えた実務経験を積んでいると言えます。

主要5部位(いわゆる5大がん)は、

  • 大腸
  • 乳腺

です。

ただし近年は、

  • 肝がんの症例数は減少傾向
  • 前立腺がん、膵臓がんは増加傾向

にあり、主要5部位以外の症例を登録する機会も増えています。

2年以上、または1,000件以上登録している方であれば、主要5部位以外の症例登録を経験していることも多いでしょう。初級認定と中級認定では知識の範囲が格段に広がるので、主要5部位に限らず、各部位ごとの特性を理解し、進化し続ける標準的な治療に関する知識を常にアップデートしていく力が求められます。

中級研修は、がん診療連携拠点病院等や全国がん登録集計に協力する医療機関で働く初級認定者を主な対象としています。

主要5部位以外の症例についても、UICC TNM分類などの病期分類を適切にコーディングでき、各種がん取扱い規約を理解した実務者を育成することが研修の目的とされています。

試験対策はどうすればいい?|中級認定試験・更新試験

試験形式(CBT)

中級認定試験・更新試験は、CBT(会場型コンピュータ試験)形式で実施されます。

2020年以降は新型コロナウイルス感染症の影響によりCBT形式となりましたが、それ以前は、東京・築地にある国立がん研究センターで実施されていました。

当時は、月曜日から木曜日まで集中的に講義を受け、金曜日に試験を受けるという流れで行われており、短期間で多くの内容をインプットする必要がありました。

CBT形式になったことで、事前の学習はeラーニングを活用し、自宅で進めることが可能となりました。そのため、働きながらでも計画的に学習を進めやすい環境が整っています。

また、試験についても、各都道府県に設けられた会場で受験できるようになり、
遠方への移動負担が軽減されました。

YOKO先生
YOKO先生
忙しい業務の合間でも、少しずつ準備できる点は、現場で働く実務者にとって大きなメリットだと感じています。
登録くん
登録くん
ぼくは、環境を変えて勉強するタイプなので、東京に行きたかったなあ。

出題の特徴

  • 選択肢の中から解答を選ぶ形式
  • 知識だけでなく、判断力・理解力が問われます

なお、中級研修および中級認定試験は、「がん診療連携拠点病院等の整備に関する指針」に基づき位置づけられた、制度上の試験です。

単なる知識確認ではなく、院内がん登録の質を担う実務者としての判断力が求められていることを、改めて意識しておく必要があります。

※制度や指針との関係について詳しく知りたい方は、前章「なぜ中級認定者が必要とされているのか」をご覧ください。

中級認定試験に向けた勉強方法|試験対策

個人的な見解になってしまいますが、がん登録 病院等実務者 中級(院内がん登録)認定試験は、難易度が高い試験です。特に、時間が足りないと感じる方が多い印象です。

実務でさまざまな症例を登録している方でも、試験に向けた対策は必要だと感じています。

特に初級の主要5部位に比べると範囲が広いので、

  • 解剖
  • 解剖に関する問題には深い知識が必要
  • 自施設では経験の少ない部位が出題される

といった点を踏まえて難易度も高めです。

私たちが国立がん研究センターに提出する症例は、正しく登録されてこそ、集計として価値を持ちます。

正確な登録スキルは、「試験に合格するため」だけでなく、実務で活かされるべきものだと、私は考えています。

そのため、微力ではありますが、知識を共有できればと思い、中級試験対策の一問一答問題を少しずつ蓄積していくことにしました。

▶ 中級試験対策|一問一答(問題)はこちら

一問一答は、YouTube動画で公開しています。

動画にすることで、文章だけでは分かりにくい部分も、画面を見ながら理解を深めやすいと考えて作りました。問題だけでなく、解答のあとには考え方や確認ポイントをあわせて解説し、実務や試験に結びつく理解を目指しています。

また、通勤時間やすきま時間に聞き流しながら取り組める点も、動画形式の特徴だと考えています。

なぜ一問一答なのか

1問ずつ出題し、解答のあとに必ず解説を加えています。

  • 標準登録様式のどこに書いてあるのか
  • 部位別テキストのどの記載と結びつくのか

を確認できるようにしています。

中級認定試験では、1問ごとに立ち止まり、根拠を確認する学習が大切だと考えています。実務の合間で、少しずつでも取り組めるよう、問題は今後も順次追加していく予定です。

まずは1問。

「今の自分の理解度」を確認するところから始めてみてください。積み重ねていけば、必ず力になります。