探す時間を減らす、実務者のための相棒づくり
「標準登録様式って分厚くて、目当ての項目を探すだけで、ひと苦労……」
がん登録の実務では、症例ごとに登録ルールの確認が必要になります。
この記事では、標準登録様式と運用マニュアルを1冊にまとめ、すぐ開ける“連結小冊子”の作り方を紹介します。

私は10年前からこの形で使っています。軽くてページをめくりやすく、必要な項目にすぐたどり着けるため、調べる時間が大きく減りました。
この記事で作るもの
- 標準登録様式 → 分冊でまとめてから小冊子に
- 院内がん登録運用マニュアル → 巻末に連結
- 本のように開く統合資料
作業時間:30〜60分程度
なぜ1冊にするのか
登録の判断は、根拠を確認しながら正確に行う必要があります。
実務では、
- 部位別テキストと標準登録様式を行き来する
- デスクが資料で埋まる
- A4ファイルが重く、キーボードと重なる
こうした小さな停止が、判断のリズムを崩します。A5の資料1冊にまとめると、スムーズに根拠を見つけられます。
試験対策というより、日々の登録を安定させるための準備です。
準備するもの


- がん診療連携拠点病院等院内がん登録標準登録様式 2016年版(PDF)
https://ganjoho.jp/med_pro/cancer_control/can_reg/hospital/pdf/2016manual.pdf - 院内がん登録運用マニュアル(PDF)
- ホチキス
- ホチキスの芯
- 水性ペン
- 安全ピン(今回はネームプレートで応用)
- ニチバン製本テープ(幅広)
手順① 小冊子印刷の設定(重要)
ホチキスで7枚ずつまとめるので、28ページずつ印刷していきます。

Adobe Acrobat Reader → 印刷 → 「小冊子」
設定
- 用紙:A4
- 両面印刷:短辺とじ
- 向き:自動
- 拡大縮小:なし
- 印刷ページ:28ページずつ*
※ 必ずPDFを一度ダウンロードしてから印刷
印刷ページ設定:「28ページずつ」の区切り
全てのページを一括印刷してしまうと、分厚すぎて開きにくくなります。28ページずつ印刷して、1ブロック7枚の厚みにします。今回は6ブロック構成です。

28ページずつに区切ると、ページ範囲はこうなります:
- 1–28(28枚)
- 29–56(28枚)
- 57–84(28枚)
- 85–112(28枚)
- 113–140(28枚)
- 141–143(3枚:残り)
28ページずつ印刷すると最後に3ページ(1枚)が残ります。最後(5回目)は、 113–143でまとめて8枚を印刷してもいいかもしれませんが、私は7枚ずつに分けています。
束の厚さをそろえることで、折り目がきれいに合いやすくなるためです。厚い束ほど、内側のページが前に飛び出す“はらみ”が出やすくなります。
なぜ7枚?
厚すぎると内側のページが前に飛び出し(はらみ)、外側(小口側)が揃わなくなってしまいます。6枚の方が穴は開けやすいですが、分冊が増えて作業回数が増えます。私は、ひと手間でも減らしたくて7枚ずつにしています。
どちらが良いかは、実際に使ってみるのが一番です。紙の厚さ安全ピンの強さによって変わるため、迷ったらまず7枚で作ってみてください。針が通りにくい場合は、6枚にしてみてください。
手順② 各ブロックを背通しホチキス
小冊子印刷したら、ブロックごとに丁寧に折ります。ここでは、その小冊子に穴をあけて、ホチキス芯でとめる方法を説明します。
芯にペンを塗る
ホチキス芯を通す穴の場所を決めます。それには、ホチキス芯のかたまりでマーカーをつけます。そうすることで、完全一致の穴をつくれます。


ホチキスの針の並びに水性ペンで色をつけます。そのまま冊子の背に軽く押し当てると、穴を開ける位置の目印が付きます。
まとめてマーカーすることで、同じ高さに穴を開けられてきれいに仕上がります。
位置を確認して穴を開ける
印をつけた位置に、安全ピン(または画びょう)で穴をあけます。
※今回は、ネームプレートの安全ピンを使っています。


ホチキス留め
ホチキスの芯をコの字に出す
ホチキスが閉じないように、中央にペンをはさんで固定します。ホチキスが閉じないことで、芯が1本ずつ「コの字」の形で出てきます。
※通常のホチキスの使い方ではありません。
※指にホチキスを打たないように、必ず手順を読んでから行ってください。


穴にホチキスの芯を通す
先ほどあけた穴に、外側(背)の方から、先ほど出した”コの字型のホチキス芯”を通します。


内側で折り込む
差し込んだホチキスが抜けないように、逆向きにします。内側に飛び出しているホチキス芯を、折り目に沿って折り込みます。
指先で横から軽く押すだけで、ちゃんと曲がります。
※指をケガしないように気を付けてください。


ホチキスの芯が、折り目にピッタリに仕上がりました。


この工程は製本の“背通し綴じ”に似ています。
分冊の完成|「標準登録様式の小冊子」がブロックごとになりました

この姿を見て、相棒誕生の瞬間を味わえます。
市販の中綴じホチキスNG紹介
ここで、市販の中綴じホチキスを使えば簡単に済むのでは?と思う方もいるかもしれません。私も使ってみたことはありますが、なかなか上手に折り目に沿って打ち込むことができませんでした。


じょうずに使える方は、中綴じホチキスでやってみてください。
手順③ 製本テープで連結
6冊を順番に並べ、背を揃えて製本テープでつなげていきます。
- まず、製本テープを小冊子の高さに合わせて切ります。
- 35mm幅の中央の切れ目に沿って半分にします。
- 冊子を連結する場合は、半分の幅がちょうどよいです。
幅のまま貼ると文字に重なってしまいます。

紙のマスキングテープでも作ったことがあります。何重にも貼り足せばできますが、製本テープの方がしっかり強い本になります。
コツ
背の部分をしっかりくっつけて製本テープでつなげます。
手順④ 院内がん登録運用マニュアルを巻末に追加
院内がん登録運用マニュアルも連結すると、資料としての使いやすさが一段上がります。同じように小冊子印刷し、標準登録様式の最後尾へ連結します。


完成
標準登録様式+運用マニュアル

常に同時に開ける統合資料になります。
使ってみて変わったこと
メリット
- すぐ開ける
手のひらサイズの冊子になり、該当ページにスムーズにたどり着けます。 - 軽くて扱いやすい
重たいファイルを持ち上げる負担がなくなります。 - 相棒になる
自分で作った小冊子は手になじみ、迷ったときに自然と開く習慣がつきます。
→ 結果として、作業の効率アップになります。
デメリット
- 更新が出ると作り直しになる
書き込んだメモを書き直さなければなりません。
※A4ファイルでも同じですが、小冊子の相棒と別れる感じは少し寂しいです。
使っている道具(ご自分のもので作れます)
この小冊子は特別な道具を使わず、文具店でそろうもので作っています。もうすでにデスク周りにある方はすぐ作れます。参考までに、私が使ったものを載せておきます。
▶ 使用したものはこちら
- ホチキス
マックス MAX マックス HD-10G チャコールグレー(HD90549) 目安在庫=○ - ホチキス芯(No.10)
ホッチキス 針 メタリックピンク マックス No.10-1M かわいい カラー – メール便対象 - ニチバン製本テープ(幅広タイプ)
製本テープ BK-35 35mm×10m 白
※100円ショップでも代用できますが、テープだけは製本用の方が頑丈のような気がしています。
まとめ:正確な登録を支える「実務の相棒」を持とう
院内がん登録で作成されるデータは、国の統計資料となる貴重な情報源です。その信頼性は、実務者が「部位別テキスト」や「標準登録様式」という根拠を、日々確実に確認できるかに支えられています。
その貴重な資料の持ち方の一つとして、小冊子でまとめる方法を紹介しました。
がん登録は、どの方法で資料を持つかに関わらず、正確に確認し続けることで支えられる仕事です。A4ファイルでも、小冊子でも、根拠に立ち返る姿勢そのものがデータの質につながります。
今回は小冊子のご紹介をしましたが、A4ファイルでも大丈夫です。みなさんの「相棒」と一緒に、日々の確認を積み重ねていきましょう。
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→ 部位別テキストを小冊子でまとめる方法を紹介します。標準登録様式と同じサイズでそろえると作業の動線がシンプルになり効率が上がります。



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