はじめに
がん登録データを使って、「ダブルドーナツチャート(二重ドーナツグラフ)」を作ってみましょう。
この解答編では、問題編でチャレンジした内容を、診療情報管理士の視点でやさしく解説します。2023年の院内がん登録データを使って、「部位別件数」をダブルドーナツチャートにしていきます。
・問題編をやってきた方は、答え合わせとして楽しみながら確認できます。
・まだ問題編を見ていない方は、先に問題編で自分の手でチャートを作ってみることもできます。また、この記事で知識を得たあとにチャレンジするのも、理解の定着におすすめです。
完成イメージはこちらです。

C4.1 必要なデータを準備する
見やすいですけど…作るのはむずかしそうですね。
【5-8シリーズ】で使ったデータ、ほんのひと手間を加えると、
グラフの見え方が一気に変わりますよ。
4.1.1 ダウンロードデータの確認
使用するのは、 【6】Excelで整えて分析しやすくしよう で整えた元データです。
ダウンロード方法は、 【5】院内がん登録データを手に入れよう で解説しています。

【データ説明】
この元データは、北海道の拠点病院・拠点外の病院の「院内がん登録データ」です。今回は、その中から北海道の大学病院3施設だけを合計したものを使います。
こうすることで、北海道の大学病院の特徴が見えてきます。
院内がん登録データの代表的な活用方法は、自分の病院の状況を、他の病院と比べることです。
こうすることで、自施設の特徴や改善点が見えてくるんですよ。
この方法は、みなさんが自分の病院を分析するときにも応用できる再現性の高いやり方です。ぜひご活用ください。
【手順 4.1.1】ダウンロードデータを確認しよう(まとめ)
・使用するのは、【6】Excelで整えて分析しやすくしよう で整えた元データ
・ダウンロード方法は、【5】院内がん登録データを手に入れよう で解説
C4.1.2 北海道の大学病院3施設の合計値を計算(今回の例)
続いて、北海道の大学病院のデータだけを絞り込み、その件数を合計します。フィルター機能を使って「テキストフィルター」に「大学」と入力してください。

coming soon!
解説がなくても、Excel操作ができる人は進めてください。
抽出された大学病院だけをコピペする。

SUM関数で3施設分の件数を合計

右側の列にも合計をコピー(フィルハンドルで横方向にコピー)

合計値を右列にコピーしていく手順
- 合計値のセル(例:E59)を選択。
- セルの右下に小さな四角(フィルハンドル)が表示されます。
- マウスをその四角に合わせると、カーソルが 黒十字 に変わります。
- 黒十字になった状態で、「その他」の列までマウスを引っ張ります。
- ドラッグを離すと、右列に合計値や数式がコピーされます。
SUM関数を値で貼り付ける。


【手順 4.1.2】大学病院3施設の合計を出す(まとめ)
1.「施設」セルをクリック
2. “Ctrl” キーを押したままにする
3.次にコピーしたいセル(または範囲)をクリックする
4.右クリック →「コピー」、Ctrl+CでもOKです。
・フィルターで大学病院だけ抽出
・SUM関数で3施設分の件数を合計
・フィルハンドルで横へコピーして部位別の合計を計算
👉 ここで得た合計が、ダブルドーナツの“母数 n=7029”の元になります。


C4.1.3 二重ドーナツグラフ用にデータを整える
そのままでも作れますが、少し整えるともっと見やすいグラフになりますよ。

ドーナッツみたいで、おいしそうです。
このグラフは、”二重ドーナツグラフ(double donut chart)”と呼ばれるんですよ。
とっても、見やすいです。
では、表を整えていきましょう。
まず、多い順に並び替えます。

部位の件数を多い順に並び替えたら、次は、右側に「割合」の列をつくります。

【手順】
1. 列の見出しに「割合」と入力
2. 乳房の件数 ÷ 合計($で固定)で計算
3. 計算結果を%表示に変更
4. 小数点1桁に整える
※ドル記号($)は“絶対参照”の意味で、行や列が動かないようにする働きがあります。
セルの右下をダブルクリックして、下の行まで一気にコピー。

coming soon!
【手順 4.1.3】二重ドーナツ用データを整える(まとめ)
・件数を多い順に並べる
・割合(%)を計算し、全ての部位にコピー
・累計割合を作り、70%・90%で区切る準備をする
C4.2 「7割以上」、「9割以上」をまとめる
二重ドーナツグラフの元データはこちらです。
【2重ドーナッツの元データ】

やってみたいです!
”累計割合”の列を作りましょう。

・70%をこえたセルと
・90%をこえたセルを
ぬりつぶしましょう

このとき、%の表示に変えるのには、
・パーセントスタイル
・小数点以下の表示桁数を増やす
で変えられます。


いまはまだ、(工事中)です。完成までしばらくお待ちください。
👉 ここまでできれば、グラフ作成の準備は完璧!
グラフを見やすくするコツ
C4.3.1 凡例を消す
ダブルドーナツチャートの場合、外側に「部位名」のラベルがつくため、
凡例があると 情報が二重表示 になり、かえって読みにくくなります。
【手順 C4.3.1】凡例を消す(まとめ)
ドーナツに部位名ラベルがあるため 凡例を消します
・
C4.3.2 線や枠を太くする
二重ドーナツは、部位が細かいと区切りが分かりにくくなります。
特に 件数の少ない部位はスライスが細く、色の境界が見えづらい こともあります。
そこで、区切り線を太くすることで——
- スライスの境目が明確になり
- 大事なカテゴリが “一目で判別” できます
【手順 C4.3.2】線や枠を太くする(まとめ)
C4.3.3 タイトルを設定
タイトルがないグラフは、 「何のデータ?」 かを読み取るまでに時間がかかります。
特に院内がん登録は、
- 年度
- 対象施設
- 部位
など、条件が複数あります。
タイトルはそれらを簡潔に伝え、
グラフの意図を3秒で理解させる役割 があります。
【手順 C4.3.3】タイトルを設定する(まとめ)
“何のデータか” を一瞬で伝えるため、
・
・
C4.3.4 データラベルを表示する
二重ドーナツチャートは色だけだと判別が難しく、
部位名・件数・割合などの具体的な情報 が表示されて初めて “読めるグラフ” になります。
特に医療データでは、数値の明示が重要です。
【手順 C4.3.4】データラベルを表示する理由(まとめ)
色だけで読み取れない情報を補えるため、
・
C4.3.5 文字サイズを調整する
視認性が落ちると、データの意味が正しく伝わりません。
特に外側のスライスが細いと、文字がつぶれてしまうこともあります。
読む人が高齢の場合も多い医療系サイトでは
文字を大きめにする配慮がとても大切です。
【手順 C4.3.5】文字サイズを調整する(まとめ)
読みやすくするため、
・
C4.3.6 母数(n=7029)を明示する
割合だけでは母数が分からず、
“20%が20件なのか1,000件なのか” が判断できません。
医療データでは母数の明示が 解釈の正確性に直結 します。
二重ドーナツグラフにおける母数(n=7029)を明示して、全体規模を可視化します。
円グラフは割合を示すグラフですが、割合だけでは母数が不明です。
「N=7029」のように総件数を示すことで、この割合が何件に基づいているのかがわかります。
例:20%という数字も、N=50とN=5000では意味が全く異なります。特に医療データや院内がん登録のような症例数を扱う場合、母数の明示は必須です。これにより「割合だけでなく件数も一目でわかる」グラフとなり、信頼性と解釈の正確性が高まります。
【手順 C4.3.6】母数(n=7029)を明示する(まとめ)
“信頼できる医療統計” にするため、
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