本記事では、がん登録とは何か、そして私たちが利用できる全国がん登録と院内がん登録の違いについて解説します。
これらは国立がん研究センターによって正確に集計された情報で、がんの実態を知るために使える、信頼できる情報源です。
がん登録とは?
このデータは、医療や研究、予防政策のための大切な情報源になっています。
・全国がん登録
・院内がん登録
・臓器がん登録
次に、これらの違いを表でまとめてみました。
がん登録の種類(初級編)
| 項目 | 全国がん登録 | 院内がん登録 | 臓器がん登録 |
|---|---|---|---|
| 実施機関 | 国 | 医療機関 | 学会・研究会 |
| 登録施設 | すべての病院・一部の診療所 | がん診療連携拠点病院など | 専門病院 |
| 目的 | 全国のがん実態把握 | 自施設のがん医療を分析、評価、質向上 | 治療指針の確立、進行度分類のあり方など検討 |
| 項目数 | 26項目 | 105項目 | 200~300項目 |
| 公開状況 | 公開 | 公開 | 非公開 |
ちがいはなんですか?
それぞれの特徴を見てみましょう。
【がん登録の種類と違い】
🏥全国がん登録
・全国すべての病院(一部診療所をふくむ)が法律にもとづいて提出するデータです。
・その年に日本で「どれくらいの人が新しくがんと診断されたか」を知ることができます。
・患者の総数、男女/年齢/都道府県ごとの情報を確認できます。
※公開データとして誰でも見ることができます。
🏥院内がん登録
・がん診療連携拠点病院などが提出します。
・どんな治療を受けたか、どのようにがんが見つかったかなどの診療内容が整理されており、医療の質や評価に役立つデータです。
※公開データとして誰でも見ることができます。
🏥臓器がん登録
・学術団体が中心となり、臓器ごとの専門的な詳細データを登録します。
・治療方針を考える際の基礎データとして活用されます。
※一般の人が直接見ることはできません。
どんなことがわかるんですか?
① 全国がん登録
- 多い順に並べ替えた表で、どのがんがどれくらい発生しているかを一目で確認できます
- 全国のがんの実態を知ることができ、一般の方でも把握可能です
- 詳細はまとめ記事からどうぞ
👉 【1〜4まとめ】全国がん登録シリーズ
② 院内がん登録
- 施設ごとに診療しているがんの部位を可視化できます
- 自施設の診療状況や傾向を分析・比較するのに便利です
- 詳細はまとめ記事からどうぞ
👉 【5〜8まとめ】院内がん登録シリーズ
シリーズを順番に読んでいくと、がん登録の使い方がしっかりわかりそうです。
このまま読み進めれば、あなたが知りたい情報に気づくきっかけになります。
全国のがんの実数や、施設ごとの件数を知ることで、がんの現状を理解するヒントになりますよ。
信頼できるがん情報と全国データの仕組み
がん登録は信頼できる情報源
最新情報を確認しよう
古い情報がのっているサイトもありますよね?
なかには、古すぎてびっくりする内容もあって…。
サイトによっては、更新が追いつかず古い情報がそのまま残っていることもあります。
かならず発信日を確認しましょう。
これから一緒に最新情報をどこで見れるのか確認していきましょう。
【ポイント】
- 公開場所:国立がん研究センター「がん情報サービス」
- データの特徴:病院・診療所から集めた診療データを、国立がん研究センターが正確に整理・集計
- 注意点:ほかのサイトでは情報が古いまま残っている場合も。発信日(公開日)を必ず確認
正しいがんの情報を集める仕組み「がん登録」
でもどうやって全国のデータになるんですか?
センターがそれを整理して全国の統計にまとめ、公式サイト「がん情報サービス」で公開しています。
くわしいがん登録の説明
詳しく見るには、クリックして開いてくださいね。
全国がん登録とは
全国がん登録とは(詳しく見る)
全国がん登録の特徴
全国がん登録は2016年から始まり、全国の病院に提出が義務づけられました。
このしくみによって、日本全体のがんの状況を、ほぼまるごと把握できる ようになっています。
背景として、2016年1月、「がん登録等の推進に関する法律」(以下「がん登録推進法」)が施行されました。これにより、全国すべての病院が登録する義務を負うことになりました。
全国がん登録の項目
内容は「26項目」と少なめですが、全国の病院が提出するため、ほぼ全数に近い把握が可能となっています。
全国がん登録でわかること
全国がん登録では、日本で毎年どのくらいの人が新たにがんと診断されているかを知ることができます。とくに次のようなことが確認できます。
・全体のがんの罹患数
・男女別のがん罹患数
・年齢階級別のがん罹患数
・都道府県別のがん罹患数
院内がん登録とは
院内がん登録とは(詳しく見る)
院内がん登録とは
院内がん登録とは、がん診療を専門的におこなう病院(主に「がん診療連携拠点病院」)が提出する、よりくわしい内容のがん登録です。
全国がん登録が“日本全体の件数”を知るための仕組みなら、院内がん登録は“病院レベルの診療内容”をくわしく知るための仕組みです。登録する病院にとっては、医療の質を評価になり、患者さんにとっては、各施設の治療実績を知るための情報源になります。
院内がん登録の特徴
院内がん登録は、がん診療連携拠点病院を中心に実施されています。がん診療連携拠点病院とは、国が指定する「がん医療の中核となる病院」のことです。
この制度により、全国どこでも質の高いがん医療を受けられる体制が整えられています。また、院内がん登録では詳細な診療データを用いて、自院の診療を分析し、他施設と比較することができます。
前述した通り、全国がん登録は日本すべての病院が登録の義務を負っています。
よって、がん診療連携拠点病院など院内がん登録に参加している病院は、院内がん登録と全国がん登録の両方にデータ提出していることになります。どちらのがん登録にも、日本のがん医療を支える拠点となる病院の情報が含まれているということになります。
日本には、がん診療連携拠点病院とよばれる病院があります。
専門的にがん治療を提供する病院です。他に、小児・AYA世代の患者さんを診療する小児がん拠点病院などがあります。
日本では、国がそれらの病院を指定することで、全国どこでも質の高いがん医療を受けることができます。
院内がん登録の項目
院内がん登録では、がんに関する105項目が登録されます。
全国がん登録の26項目と比べると、治療内容や経過などが細かく記録されているのが特徴です。これにより、医療機関は自施設の診療内容を客観的に評価し、質の向上に役立てることができます。
院内がん登録で知れること
・がんの罹患数(以下すべて「がん診療連携拠点病院」における件数)
・男女別のがん罹患数
・年齢階級別のがん罹患数
・ステージ別の初回治療内容
・発見経緯(健康診断、自覚症状、他疾患受診時の偶発的発見等)別のがん進行度
臓器がん登録
全国がん登録とは(詳しく見る)
臓器がん登録とは
専門医たちの集まりである学術団体が中心となり、分野ごとに詳しい入力項目が決められています。治療法や成績の推移などが登録され、医師が診療で提示する治療方針の基礎になります。臓器がん登録の結果は、直接わたしたちが得ることはできません。
臓器がん登録の項目
臓器により異なりますが、項目数は200-300項目あると言われています。臓器ごとに項目が違うため様式は統一されておらず、専門医だけが登録するので全国の件数すべてをカバーしているわけではありません。
まとめ
目的に合わせて、データを使い分けましょう。
全国がん登録:日本全体のがんの状況を把握できます。
院内がん登録:病院ごとのくわしい診療情報まで確認できます。
これで、がんの現状を数字でしっかり理解できそうです!







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