これらは国立がん研究センターによって正確に集計された情報で、がんの実態を知るために使える、信頼できる情報源です。
【ポイント】
- 参考になる公的データ:国立がん研究センターの「最新がん統計」や「院内がん登録全国集計」
- 特徴:正確に集計されている
- 役割:がんの実態を知るための信頼できる情報源
信頼できる情報源
でも、正確に集計されているって本当なんですか…?
なぜなら、病院や診療所から集められたリアルな診療データを使っているからです。
それらを国立がん研究センターが集計しているんです。
信頼できるがんの実態が毎年更新されています。
国立がん研究センターを参照したデータで、古い情報もたまに見かけますよ。
情報源が最新のものに変わっていても、それを元に作られたサイトでは情報が古いまま更新されていないのもあります。
かならず発信日を確認するようにしましょう。
これから一緒に最新情報をどこで見れるのか確認していきましょう。
信頼できるがん情報について、わかりやすく解説していきますね。
国立がん研究センターが運営する公式サイト「がん情報サービス」
ここで公開されている情報は、全国の病院などから集められたリアルな診療データがもとになっているんですよ。
【ポイント】
- 公開場所:国立がん研究センターが運営する公式サイト「がん情報サービス」
- 特徴:国立がん研究センターが正確に集計
正しいがんの情報を集める仕組み「がん登録」
でもどうやって全国のデータになるんですか?
センターではそれを整理・集計することで、全国規模の統計としてまとめられます。そして集められたデータは「がん情報サービス」で公開され、私たちはそれを通じてがんの状況を知ることができます。
がん登録とは?
「全国がん登録」・「院内がん登録」・「臓器がん登録」です。
それぞれ役割や内容が違いますので、目的に合わせて使い分けることが大事です。
がん登録の種類(初級編)
それぞれどう違うんですか?

【がん登録の種類と違い】
- 全国がん登録
法律にもとづき、全国の病院(一部診療所も含む)が提出。全国のがん患者数や男女・年齢・都道府県別の情報を確認できます。 - 院内がん登録
がん診療連携拠点病院などが提出。治療内容や発見経緯など、診療内容を分析しがん医療の評価に役立ちます。 - 臓器がん登録
学術団体が中心で専門的に臓器ごとの詳細データを登録。治療方針の基礎データとして活用されます。一般の人が直接見ることはできません。
しかも公開データで利用が可能 なんですよ。
全国がん登録
全国がん登録とは
全国がん登録とは、法律にもとづいて、すべての病院(一部診療所を含む)が提出するがん登録です。その年に、日本でがんと診断された件数を知ることができます。例えば、一番多く診断されたがんの種類を、男女別や年齢階級別に知ることができます。
全国がん登録の特徴
全国がん登録は、2016年から開始されました。2016年1月、「がん登録等の推進に関する法律」(以下「がん登録推進法」)の施行により、全国すべての病院が登録する義務を負うことになりました。全国がん登録では、年間の新規がん患者数が明らかにできます。言い換えると、日本全体のがん罹患数を知ることができます。
全国がん登録の項目
全国がん登録は26項目と少ない内容ではありますが、日本全国すべての病院(一部診療所を含む)が登録することで、きわめて全数に近い把握が可能となっています。
全国がん登録でわかること
- 全体のがんの罹患数
- 男女別のがん罹患数
- 年齢階級別のがん罹患数
- 都道府県別のがん罹患数
院内がん登録
院内がん登録とは
院内がん登録とは、がん医療を専門的におこなっている病院が提出するがん登録です。全国がん登録のように全国すべての件数を把握するものではありませんが、診療内容がより詳しく登録されるため、医療の質を評価したり改善したりするために活用されます。
登録する病院にとっては医療の質の評価になり、患者さんにとっては、各施設の治療成績を知るための情報源になります。
院内がん登録の特徴
院内がん登録は、がん診療連携拠点病院を中心に実施されています。がん診療連携拠点病院とは、国が指定する「がん医療の中核となる病院」のことです。この制度により、全国どこでも質の高いがん医療を受けられる体制が整えられています。また、院内がん登録では詳細な診療データを用いて、自院の診療を分析し、他施設と比較することができます。
前述した通り、全国がん登録は日本すべての病院が登録の義務を負っています。よって、がん診療連携拠点病院など院内がん登録に参加している病院は、院内がん登録と全国がん登録の両方にデータ提出していることになります。どちらのがん登録にも、日本のがん医療を支える拠点となる病院の情報が含まれているということになります。
日本には、がん診療連携拠点病院とよばれる病院があります。専門的にがん治療を提供する病院です。他に、小児・AYA世代の患者さんを診療する小児がん拠点病院などがあります。日本では、国がそれらの病院を指定することで、全国どこでも質の高いがん医療を受けることができます。
院内がん登録の項目
院内がん登録では、がんに関する105項目が登録されます。全国がん登録の26項目と比べると、治療内容や経過などが細かく記録されているのが特徴です。これにより、医療機関は自施設の診療内容を客観的に評価し、質の向上に役立てることができます。
院内がん登録で知れること
- がんの罹患数(以下すべて「がん診療連携拠点病院」における件数)
- 男女別のがん罹患数
- 年齢階級別のがん罹患数
- ステージ別の初回治療内容
- 発見経緯(健康診断、自覚症状、他疾患受診時の偶発的発見等)別のがん進行度
臓器がん登録
臓器がん登録とは
専門医たちの集まりである学術団体が中心となり、分野ごとに詳しい入力項目が決められています。治療法や成績の推移などが登録され、医師が診療で提示する治療方針の基礎になります。臓器がん登録の結果は、直接わたしたちが得ることはできません。
臓器がん登録の項目
臓器により異なりますが、項目数は200-300項目あると言われています。臓器ごとに項目が違うため様式は統一されておらず、専門医だけが登録するので全国の件数すべてをカバーしているわけではありません。
まとめ
がん登録には3種類あると言いましたが、実際に私たちが入手できるのは「全国がん登録」と「院内がん登録」のデータです。
全国がん登録では、日本で毎年どのくらいの人が新たにがんと診断されているかを知ることができます。全体の人数に加えて、男女ごとや年齢ごと、さらに都道府県ごとの人数も確認できるため、日本のがんの状況を一目で把握することが可能です。
院内がん登録では、がん診療連携拠点病院で診療された患者の情報を詳しく把握できます。全体のがん患者数に加えて、男女別や年齢別の患者数、ステージごとの初回治療内容、さらに発見の経緯(健康診断や自覚症状、他の病気で受診した際の偶然の発見など)ごとのがんの進行状況も確認できます。これにより、病院ごとの診療内容や治療の傾向を一目で理解することが可能です。
「全国がん登録」では、日本全体のがんの罹患状況を把握でき、
「院内がん登録」では、病院ごとの詳細な診療情報まで確認できます。
目的に合わせてこれらのデータを使い分けることで、がんの現状を正しく理解し、統計や医療の分析に役立てることができます。
これで、がんの現状を数字でしっかり理解できそうです!







